新しい歌の味ひあたらしいうたのあじわい
人聲の耳にし入らば、このゆふべ、 涙あふれむ、—— もの言ふなかれ。(哀果) 「妻よ、子よ、また我が老いたる母よ、どうか物を言はないで呉れ、成るべく俺の方を見ないやうにして呉れ、俺はお前達に對して怒つてるのぢやない、いや、誰に對しても怒つて …