“ねざめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
寝覚70.3%
寢覺9.4%
寐覚9.4%
寐覺4.7%
寝醒3.1%
寢醒1.6%
睡醒1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
寝覚ねざめでは、宿場茶屋の端をかりて、早目な昼めしを喰べたので、事なく済んだが、やがて一峠越えて、上松あげまつのあたりへかかると
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
行く/\旭日あさひ未だ昇らず、曉露げうろの繁きこと恰も雨のごとし。霧は次第に東山とうざんより晴れて、未だ寢覺ねざめに至らざるに、日影は早くも對岸の山の半腹に及びぬ。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
何升なんしょう食ったか自分にもわからぬがとにかくそれがためにその日は六里ばかりしか歩けなかった。寐覚ねざめの里へ来て名物の蕎麦そばを勧められたが、蕎麦などを食う腹はなかった。
くだもの (新字新仮名) / 正岡子規(著)
寐覺ねざめとこの名はかねて耳に熟せるところ、路傍にその標柱の立てるを認めて、直ちに路をもとめてこれに赴く。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
しかし恩のある人に済まぬ不義理をして死ぬまで寝醒ねざめが悪いのは、損をした昔を思い出すより欝陶うっとうしいかも知れぬ。いずれにしても若いうちは二度とは来ない。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この大漁獲だいりようがあつたので、明日あすからは餓死うゑじに心配しんぱいはないとおもふと、人間にんげん正直せうじきなもので、そのゆめはいとやすく、あさ寢醒ねざめ何時いつになくむねおだやかであつた。
叔父おぢさん、わたくしはもうかほあらつてましてよ。』と、睡醒ねざめしぶわたくしかほあほいだ。