“せんだん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
栴檀73.0%
船団5.4%
剪断2.7%
千段2.7%
千駄2.7%
専断2.7%
專斷2.7%
擅断2.7%
旃壇2.7%
旃檀2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのライラックの木の西に、まだ芽を出さない栴檀せんだん青桐あおぎりがあり、栴檀の南に、仏蘭西語で「セレンガ」と云う灌木かんぼくの一種があった。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
舌癌ぜつがんで舌の右だか左だかの半分を剪断せんだんするというので、麻酔をかけようとしたら、そんなものは要らないと云ってどうしても聞かない。
追憶の医師達 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
追いすがった小文治こぶんじが、さッと、くりこんでいったやり穂先ほさき、ヒラリ、すばやくかわして、千段せんだんをつかみとめた龍太郎りゅうたろうは、はッたとふりかえって
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「物理学の演説なんか僕にゃ分らん」と主人は少々迷亭の専断せんだんいきどおったもののごとくに云う。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
けれども一應いちおう宗助そうすけはなしてからでなくつては、あま專斷せんだんぎると心付こゝろづいたうへ品物しなもの歴史れきし歴史れきしだけに、猶更なほさら遠慮ゑんりよして、いづかへつたら相談さうだんしてうへでとこたへたまゝ道具屋だうぐやかへさうとした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
誕生このかた不断の栄養失調のうちに辛うじて息づいて来た旧日本文学の精神は、全く非人間的な擅断せんだんと営利主義とによって導かれた自身の崩壊さえも、その事実の重大さにおいて自覚し得なかった。
新日本文学の端緒 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
それから、右手の護摩木長さ一尺二寸、幅三指の——紫剛木、旃壇せんだん木、楓香木、菩提樹を取って、炉の中へ積上げ、その上に、小さい杓で、薫陸くんろく香、沈香、竜脳、安息香の液をそそいだ。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
大きな旃檀せんだんの木の下に転ってる、木の切株の上にあがって、更に爪先で伸びあがって、東の空を透しみたが、まだ黝ずんでる大空の色と見分け難いほどのものが、低く横ざまに流れていた。
月明 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)