月明げつめい
褌一つきりの裸体の漁夫が、井端で、大漁の鯵を干物に割いていた。 海水帽の広い縁で、馬車馬の目隠しのように雨の頬を包んで、先に立ってすたすた歩いていた姉が、真直を向いたまま晴れやかな声で、 「今日は。」 と声をかけると、漁夫も仕事の手元から眼 …