-
トップ
>
-
せおは
重箱に入
風呂敷に包みて和吉に
脊負せて
待間程なく長三郎は
身姿を繕ひ部屋の中より
立出來り兩親始め忠兵衞にも
挨拶成て和吉を
かくてもあられねば
妻は
着たる
羽織に
夫の
首をつゝみてかゝへ、
世息は
布子を
脱て父の
死骸に
腕をそへて
泪ながらにつゝみ
脊負んとする時
なして
舊の如く風呂敷に押包せ
丁稚に
脊負せ
勇進んで歸りけるが和吉は
霎時側に在て
二個が話しを
熟々聞主個の息子が
昨日茲より歸りし
譯も今日は又
態々爰まで忠兵衞が來りて
汚き
家をも
厭はず酒を