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きどせん
木戸銭をだしていない
大道芸のせいでもあろうが、とかく人間は、かれの
成功よりもかれの
失敗をよろこぶ
傾向をたぶんにもっている。
この
小舎は
脊がいちばん
高くて、
看板がすてきにおもしろそうでありましたから、
彼はついに
木戸銭を
払って、
奥の
方に
入ってゆきました。
然らばと
言つて、
一寸蛙を、
承りまする
儀でと、
一々町内の
差配へ
斷るのでは、
木戸錢を
拂つて
時鳥を
見るやうな
殺風景に
成る。
肝心な
事を
言忘れた。——
木戸錢はおろか、
遠方から
故々汽車賃を
出して、お
運びに
成つて、これを
御覽なさらうとする
道徳家、
信心者があれば、
遮つてお
留め
申す。