“かなてこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鉄梃29.6%
金梃29.6%
金挺11.1%
鉄挺11.1%
鐵梃7.4%
鉄槓3.7%
鉄槓杆3.7%
銕桿3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
懐中鉄梃(かなてこ)を取りだし、器用な手つきで錠をねじ切ると、いきなり懐中電燈で抽斗の内部(なか)を照らしたが、彼は思わず歓びの吐息をもらした。
空家 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
通常の方法で入ろうとしたが不可能だったので少し遅れ、金梃(かなてこ)で門口を打ちこわして、近隣の者八、九人が二名の憲兵とともに入った。このときには叫び声はやんでいた。
わしは、一度かうと言ひ出したなら、金挺(かなてこ)でも動かない男なんだから、さうして、もくろんだことは火の中をくゞつてもやり遂げる男なんだから、よく/\考へてからものを言ふがいゝよ。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
(可(い)いともの。)といひかけて親仁(おやぢ)は少年(せうねん)の傍(そば)へにぢり寄(よ)つて、鉄挺(かなてこ)を見(み)たやうな拳(こぶし)で、脊中(せなか)をどんとくらはした、白痴(ばか)の腹(はら)はだぶりとして、べそをかくやうな口(くち)つきで、にやりと笑(わら)ふ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
御坊(ごばう)よ、早(はや)う往(い)て、何處(どこ)ぞで、鐵梃(かなてこ)を才覺(さいかく)して、急(いそ)いで此處(こゝ)へ持(も)って來(き)て下(くだ)され。
「ええっ、うるせえ! どけろ!」とミコールカは狂暴な調子でわめいて轅を捨て、またもや馬車の中へかがみ込むと、今度は鉄槓(かなてこ)を引出した。
「そうじゃない? ……じゃ、ひとつ開けて見よう。……鉄槓杆(かなてこ)があるかね? ……なかったらどこかへ行って借りて来い」
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
同業者のこれに係(かか)りては、逆捩(さかねぢ)を吃(く)ひて血反吐(ちへど)を噴(はか)されし者尠(すくな)からざるを、鰐淵は弥(いよい)よ憎しと思へど、彼に対しては銕桿(かなてこ)も折れぬべきに持余しつるを、克(かな)はぬまでも棄措(すてお)くは口惜(くちをし)ければ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)