金梃かなてこ)” の例文
一番下に一と抱へほどの大きい石があり、それを金梃かなてこか何にかで動かした樣子で、見事に石垣からかれて居ります。
通常の方法で入ろうとしたが不可能だったので少し遅れ、金梃かなてこで門口を打ちこわして、近隣の者八、九人が二名の憲兵とともに入った。このときには叫び声はやんでいた。
金梃かなてこのように感じられるのであった。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「土臺を据ゑる時に使つた、金梃かなてこなんで、十貫目近くもありますから、ありや盜んだところで玩具になるわけぢやなし、變な奴もあるものだと思つて居りました」
飛出した金三郎は、物置へ行つたらしく、間もなく手頃な金梃かなてこを持つて來ました。
銭形平次捕物控:282 密室 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
飛出した金三郎は、物置へ行ったらしく、まもなく手頃な金梃かなてこを持って来ました。
銭形平次捕物控:282 密室 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
そんな事を言いながらも金梃かなてこのお蔭、二枚の板はすぐ剥げました。
そんな事を言ひ乍らも金梃かなてこのお蔭、二枚の板はすぐ剥げました。