“かしょく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
華燭43.8%
貨殖21.9%
稼穡18.8%
花色3.1%
火食3.1%
仮飾3.1%
家稷3.1%
貨色3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
オオそうだ、その吉日は百日目、今日からかぞえて八十日目の夜をもって、きっと、華燭かしょくてんをあげることにいたそう。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
旧幕時代には裕福ゆうふくだった上に、明治になってからも貨殖かしょくみちが巧みだったと見えて、今では華族中でも屈指の富豪だった。
さらに重大にしてさらに静粛なる稼穡かしょくの祭の予備の儀式から発達したものではないかと思う。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
花色かしょくは紫のものが普通品だが、また栽培品にはまれに白花のもの、白地しろじ紫斑しはんのものもある。きわめてまれにがく、花弁が六へんになった異品がある。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
そしてその花形かけい花色かしょく雌雄蕊しゆうずいの機能は種子を作る花のかまえであり、花の天から受け得た役目である。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
桟橋を隔てた絶壁には、火食かしょくの煙がなびいている、大きな洞穴ほらあなが幾つか見えた。彼はためらわずに桟橋を渡って、その穴の一つをのぞいて見た。穴の中には二人の女が、の火を前に坐っていた。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
谷間にはいつも彼の部落が、あめ安河やすかわ河原かわらに近く、碁石ごいしのように点々と茅葺かやぶき屋根を並べていた。どうかするとまたその屋根の上には、火食かしょくの煙が幾すじもかすかに立ち昇っている様も見えた。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
都合よく御開帳に出っくわせなかったろう、とこしなえにこのままの姿で置きたいものだ、とかくに浮世の仮飾かしょくこうむってない無垢むくなんじを、自分は絶愛する。
穂高岳槍ヶ岳縦走記 (新字新仮名) / 鵜殿正雄(著)
「明年の日光御用、当藩に申し聞けられ候も、御承知の小禄、困却このことに候、腹掻っさばき、御先祖のまつりを絶てばとて、家稷かしょくに対し公儀に対し申し訳相立たず、いかにも無念——」
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
幇匪の仲間では子供や女の事を石頭條子せきとうじょうしとか貨色かしょくとか言っているが、この貨色などもまたよく彼等匪徒の手に誘拐せられ、そしてよそに売り飛ばされる。