“かいば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
飼料22.2%
飼糧19.4%
海馬16.7%
飼葉16.7%
飼馬11.1%
怪婆2.8%
糧秣2.8%
糧食2.8%
芻草2.8%
馬糧2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夫人は昵懇じっこんらしい百姓家に、馬を預け飼料かいばをやるように頼むと、鞭をステッキのように持ったまま青年と並んでグリーン・ホテルへ行く坂道を歩き出した。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
覗けば、馬方の三次、飼糧かいば切りの中に首を突っ込んだまま、あけに染んで死んでいたのです。
それは海馬かいばなどと言うべきものではあるまい。海馬は普通にあしかと唱えて、その四足は水掻きになっているのであるから、むやみに陸上を徘徊する筈がない。
馬妖記 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そして、なおらずに、そのおからだをずたずたに切りきざんで、それをうまの飼葉かいばを入れるおけの中へ投げ入れて、土の中へめておしまいになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
一体この堤の草は近所の大名屋敷や旗本屋敷で飼馬かいばの料に刈り取ることになっていまして、筋違から和泉橋いずみばしのあたりは市橋壱岐守いきのかみと富田帯刀たてわきの屋敷の者が刈りに来ていたんですが
半七捕物帳:43 柳原堤の女 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
途中で別れた白根行きの二人、帰途、この茶屋へ知らずに飛び込み、有繋さすがの両人も孤屋こおく怪婆かいば吃驚敗亡きっきょうはいぼうあとをも見ず一目散に逃げ出したそうである。
彼はもと高崎たかさきにいた。そうして其所そこにある兵営に出入しゅつにゅうして、糧秣かいばを納めるのが彼の商買しょうばいであった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「いや、漢方のありふれた薬だ。その代りこれなら馬の糧食かいばほど呑んでも大した毒にならない」
彼女は自分で芻草かいばをやりました。彼女は、牛達の頸にすがりつき、その顔をつくづくと眺めました。言葉に代って物を云う、両方の眼からこぼれる涙は止めようもありません。
この頃のように泰平が続いては自然お納戸の算盤そろばんが立ち兼ねて参りまする。ドサクサ紛れに今二三十万石、どこからか切取らねばこのお城の馬糧かいばに足らぬ。
名君忠之 (新字新仮名) / 夢野久作(著)