骨格こっかく)” の例文
その海底都市の骨格こっかくに相当する八十階で建坪たてつぼ一万一千平方キロメートルの坑道ががっちり出来たのが、実に起工後十四日目なんです。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
余はことに彼ヤイコクが五束いつつかもある鬚髯しゅぜん蓬々ぼうぼうとしてむねれ、素盞雄尊すさのおのみことを見る様な六尺ゆたかな堂々どうどう雄偉ゆうい骨格こっかく悲壮ひそう沈欝ちんうつな其眼光まなざし熟視じゅくしした時
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
かんなかには、そこにのこっている白骨はっこつと、不完全ふかんぜん土器どきと、七つのかがみなどがあって、人々ひとびとをひいたのでした。その死者ししゃは、学者がくしゃが、骨格こっかくから判断はんだんして、まだわかおんなであったとわかりました。
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ことに容貌ようぼう解剖かいぼう的のものでなく、心の作用によりては、少なくともその表情を変えることが出来る。そして人の顔色を読むには、骨格こっかく肉付きの如何いかんよりも、むしろその表情によることが多い。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
着衣や冠の輪廓りんかくがうすく見える中にありありと黒く、むざんな骸骨姿がいこつすがたがうつしだされた。これが頭目の骨格こっかくなのだ。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)