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飯臺
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はんだい
彼がふと
思ひ
出したやうに
狹い
戸口を
開けて
明るい
外の
埃に
目を
蹙めて
出て
行つた
時與吉は
慌しく
飯臺の
蓋をした
處であつた。
「
腹減つたら
此處にあんぞ」といつてばたりと
飯臺の
蓋をした。
後で
勘次は
蒲團からずり
出して
見たら、
麥ばかりのぽろ/\した
飯であつた。
勘次は
家に
戻ると
飯臺の
底にくつゝいて
居る
飯の
中から
米粒ばかり
拾ひ
出してそれを
煙草の
吸殼と
煉合せた。