霊地れいち)” の例文
旧字:靈地
湖畔こはん里余りあまり、沿道えんだう十四あひだ路傍ろばうはなそこなはず、えだらず、霊地れいちりましたせつは、巻莨まきたばこ吸殻すいがらつて懐紙くわいしへ——マツチのえさしはして
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「この霊地れいちへきて、奇怪なまねをするにっくいやつ、ことによったら、南蛮寺なんばんじにいるキリシタンのともがらかもしれぬ。いずれにせよ、ぶッぱなして諸人しょにんへの見せしめとしてくれる」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遠く四八唐土もろこしにわたり給ひ、あの国にて四九でさせ給ふ事おはして、此の五〇のとどまる所、我が道をぐる霊地れいちなりとて、杳冥そらにむかひてげさせ給ふが、五一はた此の山にとどまりぬる。
かくて霊地れいちの荘厳にふるき杉立つ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
一座の霊地れいちは、かれらのためには平等利益びょうどうりやくたのしく美しい、花園である。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)