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鋳掛屋
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いかけや
ふりがな文庫
“
鋳掛屋
(
いかけや
)” の例文
旧字:
鑄掛屋
「近頃、あの家の者か、出入りの者で、鍵を拵えさせた者はないだろうか、山の手一円の
鍛冶屋
(
かじや
)
鋳掛屋
(
いかけや
)
を、ごく内緒で調べて貰いたいんだが——」
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
芝、
田町
(
たまち
)
の
鋳掛屋
(
いかけや
)
庄五郎が川崎の
厄除
(
やくよけ
)
大師へ参詣すると云って家を出たのは、元治元年三月二十一日の
暁方
(
あけがた
)
であった。
半七捕物帳:45 三つの声
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
唐金
(
からかね
)
の
鍋
(
なべ
)
に
白
(
しろ
)
みを掛けるようなもので、
鋳掛屋
(
いかけや
)
の仕事であるが、塩酸亜鉛があれば鉄にも錫が着くと云うので、同塾生と相談してその塩酸亜鉛を作ろうとした所が
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
崖頂まで大蛇の仲継を
憑
(
たの
)
まにゃならぬとは不似合な話だが、呉の劉綱その妻
樊
(
はん
)
氏とともに仙となり、大蘭山上の巨木に登り
鋳掛屋
(
いかけや
)
風の夫婦
連
(
づれ
)
で飛昇したなどその例多し。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
鋳掛屋
(
いかけや
)
のトム・ハイドは絞首台に立って、何かいいたいことはないか、と、
訊
(
き
)
かれた。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
▼ もっと見る
「若旦那なら中どころを御註文なさいまさあ。若い方は
鋳掛屋
(
いかけや
)
の
天秤棒
(
てんびんぼう
)
で先が
長
(
なご
)
うがすからな。然るところ旦那さまや手前どもになりますと、もう一番勝負です。後がありません」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
その一は出雲・相模・下野などの地名に
銕糞
(
かなくそ
)
塚というもの多くまた塚の附近もしくは土中より銕糞を出すことあり、今も
鋳掛屋
(
いかけや
)
と称する徒には野外の一地に仮住してその業を営み
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
十六夜
(
いざよい
)
清心
(
せいしん
)
が身をなげた時にも、
源之丞
(
げんのじょう
)
が
鳥追姿
(
とりおいすがた
)
のおこよを見そめた時にも、あるいはまた、
鋳掛屋
(
いかけや
)
松五郎が
蝙蝠
(
こうもり
)
の飛びかう夏の夕ぐれに、
天秤
(
てんびん
)
をにないながら両国の橋を通った時にも
大川の水
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
朝、或る
鋳掛屋
(
いかけや
)
が通つてゐました。アムブロアジヌお婆あさんは古い湯沸しを売りました。其の上にストオヴの上で足が熔けたランプと、不用のソース鍋を二つ売つて、それを渡しました。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
岸本は
年少
(
としした
)
なくせに出過ぎて生意気だというところから、「
鋳掛屋
(
いかけや
)
の天秤棒」という
綽名
(
あだな
)
を取っていた。以前はそれを言われると——殊に高輪の通りで知った人の見ている前では——
可成
(
かなり
)
辛かった。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
何とかいう芝居で
鋳掛屋
(
いかけや
)
の松という男が、両国橋の上から河上を流れる絃歌の声を聞いて翻然大悟しその場から盗賊に転業したという話があるくらいだから、昔から似よった考えはあったに相違ない。
電車と風呂
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
と
鋳掛屋
(
いかけや
)
が私たちに話した。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
真っ先に応えてくれたのは、一間半ばかりの路地を
距
(
へだ
)
てて筋向うに住んでいる、
鋳掛屋
(
いかけや
)
の岩吉でした。
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
書いた様子だ。
鋳掛屋
(
いかけや
)
の小僧に小遣をやって訊いてみると、手紙の頼み主は、どうも宇太八らしい。五十七八の、よく
禿
(
は
)
げた、大きな高荷を背負った男だというから
銭形平次捕物控:103 巨盗還る
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
石原町
(
いしはらちょう
)
の
日傭取
(
ひようとり
)
の娘お仙と駄菓子屋の女房のおまき、それから石原
新町
(
しんまち
)
の
鋳掛屋
(
いかけや
)
の娘おらく——」
銭形平次捕物控:029 江戸阿呆宮
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「大丈夫、その辺に抜け目のある八五郎じゃねえ。ちゃんと糸目をつけて飛ばしてありますよ。小僧は町内の
鋳掛屋
(
いかけや
)
の
倅
(
せがれ
)
巳之松
(
みのまつ
)
、とって十三だが、智恵の方は六つか七つだ」
銭形平次捕物控:103 巨盗還る
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
鋳掛屋
(
いかけや
)
の岩吉さんが、本所の友達の祝事で遅くなるから、木戸は締めずにおいてくれと言いますから、そのままにして寝てしまいました。もっとも眠ったわけじゃありません。
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
金五郎の向う側は、
鋳掛屋
(
いかけや
)
の岩吉の家でした。行ってみると、これはすっかり
脅
(
おび
)
えてしまって、昨日から稼業も休み、何をするでもなく、ただワクワクと暮している様子です。
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それから、もう一つ、あの藤助という野郎は、下谷二長町の
鋳掛屋
(
いかけや
)
の
倅
(
せがれ
)
ですよ」
銭形平次捕物控:076 竹光の殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
頼むのに、相手が
鋳掛屋
(
いかけや
)
の小僧だにしても、四文銭三枚という法はあるまい。——外ならぬ銭形の平次へ果し状を付けるんだ、二分や一両とはずまないまでも、二朱や一分はきっと出す
銭形平次捕物控:103 巨盗還る
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「空地で遊んでいたのを、多勢の人が見ていましたよ。もっとも一番後で五人の子供が空地の隅っこに一とかたまりになって話しているのを見たのは、
鋳掛屋
(
いかけや
)
の権次という、評判のよくない男で」
銭形平次捕物控:140 五つの命
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
次は田町の
鋳掛屋
(
いかけや
)
の倅
藤吉
(
とうきち
)
、これは十二になって、
逞
(
たくま
)
しい子でしたが、夕方使いに出た帰り、近道をして浜で曲者に襲われ、持物も着物も滅茶滅茶に千切って捨てて、それっきり姿を見せません。
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
伽羅や沈香は、こちとらの家にある品じゃない——ところで、
鋳掛屋
(
いかけや
)
の権次は空地のどの辺に店を張って仕事をしているんだ。だいたい場所がきまっているだろう、炭の
断片
(
かけら
)
か、
鉄屑
(
かなくず
)
があるはずだ。
銭形平次捕物控:140 五つの命
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
鋳掛屋
(
いかけや
)
の権次でしょう、逢いましたよ」
銭形平次捕物控:140 五つの命
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“鋳掛屋”の解説
鋳掛屋(いかけや、en: tinker)とは、鋳掛を行う職人のこと。
鋳造された鍋、釜などの鋳物製品の修理・修繕を行う職業。鋳かけ、または「鋳鐵師」との表記もなされる。
(出典:Wikipedia)
鋳
常用漢字
中学
部首:⾦
15画
掛
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“鋳掛”で始まる語句
鋳掛
鋳掛勝
鋳掛松
鋳掛連