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釜戸
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かまど
ふりがな文庫
“
釜戸
(
かまど
)” の例文
過ぎて新街道
大釜戸
(
おほかまど
)
といふより
御嶽
(
みたけ
)
へ出づ元は大井より
大久手
(
おほくて
)
細久手
(
ほそくて
)
を經て
御嶽
(
みたけ
)
へ
出
(
いで
)
しなれど高からねど山阪多きゆゑ
釜戸
(
かまど
)
の
方
(
かた
)
を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
下女に代って風呂場の掃除をしたり、
釜戸
(
かまど
)
の火を
焚
(
た
)
いたり、下男といっしょに薪を作ったりすることは、母でさえながいこと知らずにいた。
日本婦道記:墨丸
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
これが着いた先は、
周防
(
すおう
)
の
釜戸
(
かまど
)
ノ関(現・上ノ関)で、尊氏はここから
安芸
(
あき
)
の厳島神社へ代参の使い舟を派し
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三つの石は即席の
釜戸
(
かまど
)
だったのである。りつ子は
朴
(
ほお
)
の木の葉も洗って持って来て、その上へもろこし餅をのせて彼に渡した。
おごそかな渇き
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
彼は濡れた
桶
(
おけ
)
を持っていたが、それを
釜戸
(
かまど
)
の脇へ置いて、二人のほうへ近より、強い山訛りで、きめつけるように訊いた。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
ごうごうと、大きな
釜戸
(
かまど
)
の
呻
(
うめ
)
きのような火の音と、
咆
(
ほ
)
えたける烈風のなかに、苦痛を訴えるすさまじい人の声が聞えた。
柳橋物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
暗くて広い土間へはいると、縁台が三つ並んでい、戸口の隅には
釜戸
(
かまど
)
があって、大きな湯釜から白く湯気がふいていた。その釜戸の前に老婆が一人。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そして、おいらだって同じなんだ、伝さんとこうしているときだけは誰に遠慮もなく、九尺二間の
釜戸
(
かまど
)
将軍で手足を
恋の伝七郎
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
地面を掘り、石でたたんだ、ぶきような手製の
釜戸
(
かまど
)
から、活き活きと火の舌が伸び、煙がゆるやかに、樹立のさし交わす枝葉の中へと、揺れながら昇ってゆく。
山彦乙女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
こんどはその屋根を剥ぎ
梁
(
はり
)
をはずし壁を崩し、
釜戸
(
かまど
)
をこわし柱の根を割り床板をめくりというぐあいに、日と時間におかまいなく一寸四方の余地もなく捜したうえ
艶妖記:忍術千一夜 第一話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
女は
釜戸
(
かまど
)
から、焚きおとしを
十能
(
じゅうのう
)
に取り、小部屋の
火桶
(
ひおけ
)
に入れて、炭をついだ。おみやは包みの中から、なにがしかの金を出し、紙に包んで、女の前へさしだした。
樅ノ木は残った:01 第一部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
背戸
(
せど
)
の方で娘たちの
賑
(
にぎ
)
やかな声が聞え、たそがれて来たこの縁先まで、
釜戸
(
かまど
)
の煙がながれて来た。
似而非物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
髪毛から青い火をたてながら、焔の中へとびこんでゆく女の姿、……そして巨大な
釜戸
(
かまど
)
の
咆
(
ほ
)
えるような、
凄
(
すさ
)
まじい火の音をとおして、訴え嘆くようなあの声が聞えてきた。
柳橋物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そして今ではお
義兄
(
にい
)
さまや与一郎さんの物をそうして縫っていらっしゃる、そればかりではないわ、お洗濯やお炊事にどれだけの水をお遣いになったでしょう、
釜戸
(
かまど
)
や火桶で
日本婦道記:風鈴
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
盥は小さくはなかったが、片方が壁、片方に
釜戸
(
かまど
)
があるので、躯をながすには窮屈であった。彼は
片膝
(
かたひざ
)
を立て、手拭をぬるま湯に浸しては、そろそろと躯をしめした。するとおみやが
覗
(
のぞ
)
いた。
樅ノ木は残った:01 第一部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「おちつけ」と治兵衛が云った、「着替える暇はないかもしれない、そのままで
釜戸
(
かまど
)
の蔭に隠れていろ、もし人が来たらおれが応対をするから、隙をみて隠居所へ知らせにゆくんだ、わかったか」
失蝶記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
母が
釜戸
(
かまど
)
へ立っていた、弥之助はお八重の
衿足
(
えりあし
)
につよく眼をひかれた、二年のあいだにすっかり娘らしくなっている、そういう
艱難
(
かんなん
)
な生活にいためられながら、若い命はいささかのためらいもなく
蜆谷
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
秀之進はそういって、土間の隅にある
釜戸
(
かまど
)
のほうへと去った。
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
釜
常用漢字
中学
部首:⾦
10画
戸
常用漢字
小2
部首:⼾
4画
“釜”で始まる語句
釜
釜中
釜無
釜山
釜石
釜無川
釜敷
釜場
釜前
釜淵