-
トップ
>
-
邪智
>
-
じやち
押領せんと
巧智慧の深き事
量べからずと雖も英智の
贋物にして
悉皆く
邪智奸智と云ふべし大石内藏助は其身
放蕩と見せて君の
讎を討ちしは忠士の
智嚢を振ひ功名を
これ
邪智ふかきゆゑ也。
豈狐のみならんや、人も又
是に
似たり。
邪智あるものは
悪㕝とはしりながらかく
為ば人はしるまじと
己が
邪智をたのみ、
終には身を
亡すにいたる。
不審といはゞ
不審もたつべきながら
子故にくらきは
親の
眼鏡運平が
邪智ふかき
心にも
娘は
何時も
無邪氣の
子供伸びしは
脊丈ばかりと
思ふか
若しやの
掛念少しもなくハテ
中の
好かりしは
昔のことなり
今の
芳之助に
何として
愛想の
盡ぬものがあらうか
娘はまして
孝心ふかし
親の
命令ること
背く
筈なし
心配無用と
勘藏が
注意を