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逆上
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あが
ふりがな文庫
“
逆上
(
あが
)” の例文
賛之丞は、その途端に、血が
逆上
(
あが
)
ったように騒ぎ立って、裏木戸にいた七、八人といっしょに、土足で、母屋のまん中を駈けぬけた。
八寒道中
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「だが親分、高が犬ころが
逆上
(
あが
)
ってるだけ、それにこの大暴風雨、悪いこたあ申しませんぜ、お止めなすっちゃいかがですい。」
釘抜藤吉捕物覚書:08 無明の夜
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
『まあ少し、冷静に返ってみては何うじゃな。お互いが、いわばこの際は、
逆上
(
あが
)
っている。炎から一歩
退
(
しりぞ
)
いてみるも、必要じゃないかの』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
逆上
(
あが
)
っているから耐らない、卍の富五郎
法
(
ほう
)
を忘れて切ってかかる。
釘抜藤吉捕物覚書:04 槍祭夏の夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「先にこっちで訊いたことを、今度は自分から訊いていやがる。はははは。この飛脚、よほどどうかしておるぞ。
逆上
(
あが
)
ッておる」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
兄哥
(
あにい
)
すっかり
逆上
(
あが
)
ってしまっている。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
だが、仰向いて揺られて行ってはよくないぞ、体の内部にあふれている血が、臓器を
侵
(
おか
)
し
頭脳
(
あたま
)
へも
逆上
(
あが
)
ってしまうかも知れん
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
左膳思わず
焦
(
いら
)
立ち
逆上
(
あが
)
った。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
と、かたく
戒
(
いまし
)
めても、辻の曲り角へ来ると、気の
逆上
(
あが
)
っている卒は、忽ちパチパチと霧の中を銃を
盲射
(
もうしゃ
)
し始めていた。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
逆上
(
あが
)
っているとは何事だ。この主家の大凶事に、冷然としていられぬことは、決して恥ではない。城受取りの
寄手
(
よせて
)
を
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「強敵、戸波隼人を討ったのは、
出来
(
でか
)
したが、それが精いッぱいか、貴様、少し
逆上
(
あが
)
っているぞ。——その首、敵兵に
奪
(
と
)
り返されぬように気をつけろ」
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ばかを言え、酒とちがって、四合も飲みゃ眼が
眩
(
くら
)
んでしまって、カーッと
逆上
(
あが
)
ると何が何だかわからなくなる。
醤油仏
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ドドドドッと、二階へかけあがった召使たちの声は口々にもう
逆上
(
あが
)
っている。「奥さま、奥さま!」「たいへんっ」「お早くしないと」「焼け死にますよ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もとより
雑兵
(
ぞうひょう
)
にはちがいない。市松も虎之助も、びっくりしたが、それ以上、敵兵のほうが
逆上
(
あが
)
っていた。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あなたは、ここにおればよい。敵城の中というものは、よほど
胆
(
きも
)
がすわって来ないと、どんな小城でも、勝手のわからないものだ。どうしたって、
逆上
(
あが
)
ってしまいますからな」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
誰の眼も、眸の先に光りものがちらついて、気が
逆上
(
あが
)
ったように、血走っていた。
日本名婦伝:大楠公夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とズイと前へ出たのは舞鶴の新造で、よほど何かに、
逆上
(
あが
)
っていると見えて、無作法な
抜刀
(
ぬきみ
)
の
引
(
ひ
)
ッ
提
(
さ
)
げだ。いや、新造ばかりでなく、他の者すべて物々しい脇差を抜き払っていたのだ。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「だまれ。ひとの功をそねんで要らざる
雑言
(
ぞうごん
)
。どこに虎之助が
逆上
(
あが
)
っているか」
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
郷士たちの方は、二人といっても、すでに一人は
傷
(
て
)
を負っているので、まったく
逆上
(
あが
)
っていた。城太郎の
太股
(
ふともも
)
の辺からも、鮮血はそこらへ散るし、文字どおり斬りつ斬られつの修羅図であった。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ひとつには、奥へ、大亀が這入って行ったとたんに、異様な物音と、女の叫び声が起り、それが一瞬に止むと、不気味な静けさに返ったので——外にいた市十郎の気も
逆上
(
あが
)
ッていたにちがいなかった。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鶏と鶏は、もう、首をつき出して、人間ならば、
逆上
(
あが
)
っている血相に見える。——判者の合図。——パッと放つ。砂がとぶ。血のついた毛が、羽ばたかれる。生きるか、死ぬか。取るか、取られるか。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さすがに、お綱ほどの女も
顛倒
(
てんとう
)
していた、血が
逆上
(
あが
)
っていた。
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
人々の眼も血ばしり、気も
逆上
(
あが
)
っていたにちがいなかった。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「こいつ、
逆上
(
あが
)
ッているな……ふ、ふ、ふ、ふ」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
逆
常用漢字
小5
部首:⾡
9画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“逆上”で始まる語句
逆上性
逆上気味
逆上返
逆上方
逆上目
逆上薬
逆上引下
逆上氣味