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追窮
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ついきゅう
ふりがな文庫
“
追窮
(
ついきゅう
)” の例文
私は物足りない顔を二人に見せながら、物足りるまで
追窮
(
ついきゅう
)
する勇気をもっていなかったのです。権利は無論もっていなかったのでしょう。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「いや申します、申上げます」熊岡警官の
追窮
(
ついきゅう
)
に隅田はとうとう声をあげた。「実は大変な間違いをやっちまったんです」
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
現代とても在来の経典を
以
(
もっ
)
て満足し、更に一歩を進めて真理の
追窮
(
ついきゅう
)
に当ろうとする、
気魄
(
きはく
)
のとぼしき者は多いであろう。それ等に対してわれ等は
頓着
(
とんじゃく
)
せぬ。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
もし道のない所を
無闇
(
むやみ
)
に進んで行こうものならそれがために村人の疑いを深くして
追窮
(
ついきゅう
)
されるかも知れない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
夫人は、
追窮
(
ついきゅう
)
するように、美しく笑いながら
訊
(
き
)
いた。信一郎は、可なりハッキリした口調で云った。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
「でも、
狂人
(
きちがい
)
になるには何か
仔細
(
わけ
)
があるでしょう。」と、冬子は
目眦
(
まなじり
)
を
昴
(
あ
)
げて
追窮
(
ついきゅう
)
した。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
何だかへんだとは思いながら、お駒ちゃんも、ふかく
追窮
(
ついきゅう
)
しようとはしなかった。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
徳川末期趣味を
髣髴
(
ほうふつ
)
とさせているが、その趣味だけに停滞しないで、愛慾心理を
追窮
(
ついきゅう
)
しているところに作者自身が意識するしないに関わらず、シリアスな感じが読者の心に伝わるのである。
武州公秘話:02 跋
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
徳川末期趣味を
髣髴
(
ほうふつ
)
とさせているが、その趣味だけに停滞しないで、愛慾心理を
追窮
(
ついきゅう
)
しているところに作者自身が意識するしないに関わらず、シリアスな感じが読者の心に伝わるのである。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と
追窮
(
ついきゅう
)
する。追窮されても
窘
(
くるし
)
まぬ源三は
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
と
追窮
(
ついきゅう
)
した。女は静かにいった。
五通
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
津田は
追窮
(
ついきゅう
)
もしなかった。お延もそれ以上説明する面倒を取らなかった。二人はちょっと会話を
途切
(
とぎ
)
らした後でまた実際問題に立ち戻った。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
モロの
追窮
(
ついきゅう
)
があまりにきびしかったので、ポーニンもようやくそれと、彼の
素性
(
すじょう
)
に気がついたのであった。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
又真理の
追窮
(
ついきゅう
)
は、かのブローテイナスをして、早くも地上生活中に、よく超現象の世界に遊ばしめ、更に真理の光明は、かのアレッサンドロ・アキリニイをして、よく烈々として
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
笑うたびに、津田はまた彼女を
追窮
(
ついきゅう
)
した。しまいに彼女の名がつきだと
判然
(
わか
)
った時、彼はこの珍らしい名をまだ
弄
(
もてあそ
)
んだ。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と、私は、博士のおもっていることを、もっとはっきりしたいと考え、
追窮
(
ついきゅう
)
した。
人造人間の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ただ口が
利
(
き
)
きたくないからだといいました。お嬢さんはなぜ口が利きたくないのかと
追窮
(
ついきゅう
)
しました。私はその時ふと重たい
瞼
(
まぶた
)
を上げてKの顔を見ました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
失礼だとあれば、私は
追窮
(
ついきゅう
)
はいたしますまい。しかし万一、捜査課の警部たちがひきかえして来て、奥様にこの質問をいたしたものと仮定しますと、唯失礼だと
許
(
ばか
)
りで追払うことは出来ますまい。
赤耀館事件の真相
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
オクテヴィヤは自分のように
背
(
せい
)
が高いかの、髪の毛はどんな色だの、顔が丸いかの、声が低いかの、年はいくつだのと、どこまでも使者を
追窮
(
ついきゅう
)
します。……
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私はこの
追窮
(
ついきゅう
)
に苦しんだ。しかし先生は私に返事を考えさせる余裕さえ与えなかった。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「とうとう降参しましたかな。降参したなら、降参したで
宜
(
よろ
)
しい。
敗
(
ま
)
けたものを
追窮
(
ついきゅう
)
はしないから。——そこへ行くと男にはまた弱いものを
憐
(
あわ
)
れむという美点があるんだからな、こう見えても」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“追窮”の意味
《名詞》
追 窮(ついきゅう)
学問などを、探って明らかにしようとすること。
(出典:Wiktionary)
追
常用漢字
小3
部首:⾡
9画
窮
常用漢字
中学
部首:⽳
15画
“追窮”で始まる語句
追窮心