トップ
>
近路
>
ちかみち
ふりがな文庫
“
近路
(
ちかみち
)” の例文
「いかがでしょう? 先生。仙人になる修業をするには、どこへ奉公するのが
近路
(
ちかみち
)
でしょう?」と、心配そうに尋ねました。
仙人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この二股坂と言うのは、山奥で、
可怪
(
あやし
)
い伝説が少くない。それを越すと隣国への
近路
(
ちかみち
)
ながら、人界との
境
(
さかい
)
を
隔
(
へだ
)
つ、自然のお関所のように土地の人は思うのである。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
農家の門を外に出てみるとはたして見覚えある往来、なるほどこれが
近路
(
ちかみち
)
だなと君は思わず微笑をもらす、その時初めて教えてくれた道のありがたさが
解
(
わか
)
るだろう。
武蔵野
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
丁度自分の畑の所まで来ると佐藤の
年嵩
(
としかさ
)
の子供が三人学校の
帰途
(
かえり
)
と見えて、荷物を
斜
(
はす
)
に背中に背負って、頭からぐっしょり濡れながら、
近路
(
ちかみち
)
するために畑の中を歩いていた。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
大原「ウム、そんな
迂遠
(
うえん
)
な方法を取らないでも
近路
(
ちかみち
)
はいくらもある。小山の妻君が世話を ...
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
近頃の
踊
(
おど
)
る宗教を見ても察し得られるように、見知らぬ人たちが旅からやって来て、新らしい教えを説こうというのには、踊ることは
近路
(
ちかみち
)
であり、また有効なる方法でもあった。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
あいにく
近路
(
ちかみち
)
を取ったので、嫂の薄い
下駄
(
げた
)
と
白足袋
(
しろたび
)
が
一足
(
ひとあし
)
ごとに砂の中に
潜
(
もぐ
)
った。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
で、菊江はすぐこっちから往こうかと思ったが、その
路
(
みち
)
は
近路
(
ちかみち
)
にくらべると二町あまりも遠かった。それに
街路
(
とおり
)
の上ではつまらないものの眼にも
注
(
つ
)
きやすいと云う考えも起って不安であった。
女の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ここへ来る一里あまりの田のへりを
近路
(
ちかみち
)
といへばまた帰り行く
歌集『涌井』を読む
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
近路
(
ちかみち
)
をせずと
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
朝まだきは納豆売、近所の小学に通ふ幼きが、
近路
(
ちかみち
)
なれば五ツ六ツ
袂
(
たもと
)
を連ねて通る。お花やお花、
撫子
(
なでしこ
)
の花や矢車の花売、月の
朔日
(
ついたち
)
十五日には二人三人呼び
以
(
も
)
て行くなり。
草あやめ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ぼつぼつではあるが
街路
(
とおり
)
の左右に
点
(
つ
)
いた街路照明の電燈の
燈
(
ひ
)
を見ると菊江はほっとした。菊江はこの数年来の不景気のために建物の
塞
(
ふさ
)
がらない文化住宅の敷地の中を
近路
(
ちかみち
)
して来たところであった。
女の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
近
常用漢字
小2
部首:⾡
7画
路
常用漢字
小3
部首:⾜
13画
“近”で始まる語句
近
近所
近江
近頃
近寄
近々
近習
近衛
近傍
近郷