転変てんぺん)” の例文
旧字:轉變
ながるる濠の水は春秋しゅんじゅうかわりなく、いまも、玲瓏れいろう秋のよいの半月にすんでいるが、人の手にともされると、つがれるあぶらは、おのずから転変てんぺんしている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わが身のあわただしい転変てんぺんに心をうばわれ、人のことどころではなかったのだ。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
転変てんぺんはげしきはしと某老人ぼうらうじん申候まうしそろ其訳そのわけ外充内空ぐわいじうないくう商略せふりやくにたのみて、成敗せいはい一挙いつきよけつせんとほつそろ人の、其家構そのいへかまへにおいて、町構まちかまへにおいて、同処どうしよ致候いたしそろよりのことにて、今も店頭てんとううつたかきは資産しさんあら
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
国ほろびて山河さんがかわらずという。しかし、人の転変てんぺんはあまりにはなはだしい。たとえば、いま甲府こうふ城下じょうかを歩いて見ても、うものはみな徳川系とくがわけい武士ぶしばかりだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いやでも応でも、宇宙は刻々にかわるという法則に立つ易学を生んだ隣邦りんぽう中国では、さすがに世の転変てんぺんには馴れぬいていたものか、古来盗児とうじに関する挿話そうわは今の日本にも負けないほど多い。
人間山水図巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)