赤犬あかいぬ)” の例文
あるまちはずれのさびしいてらに、和尚おしょうさまと一ぴきのおおきな赤犬あかいぬとがんでいました。そのほかには、だれもいなかったのであります。
犬と人と花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
びっくりしたので、としちゃんは、きやんで、けて、赤犬あかいぬると、やさしそうなつきをして、っていました。
小さな年ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、お使つかいにいって、お豆腐屋とうふやまえに、赤犬あかいぬ姿すがたえなかったとき、としちゃんは、どんなにさびしくおもったかしれません。
小さな年ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
豆腐屋とうふやまえに、おおきな赤犬あかいぬがいました。としちゃんは、そのまえとおるのが、なんだかこわかったのです。けれど、赤犬あかいぬは、あちらをいていました。
小さな年ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
赤犬あかいぬも、おきょうのあげられる時分じぶんには、ちゃんときて、いつものごとくまぶたほそくして、おきょうこえいていました。
犬と人と花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼくは、かなしくなりました。そうして、二人ふたり魚屋さかなやまえにくると、ちょうど、赤犬あかいぬとよその子供こどもあそんでいました。
僕の通るみち (新字新仮名) / 小川未明(著)
赤犬あかいぬは、和尚おしょうさまのはなしいて、さもよくわかるようにうなだれて、二つのからなみだをこぼしていました。
犬と人と花 (新字新仮名) / 小川未明(著)