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質樸
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しつぼく
ふりがな文庫
“
質樸
(
しつぼく
)” の例文
反応を要求しない親切ならば受けてもそれほど恐ろしくないが、
田舎
(
いなか
)
の人の
質樸
(
しつぼく
)
さと正直さはそのような投げやりな事は許容しない。
田園雑感
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
質樸
(
しつぼく
)
な職人
気質
(
かたぎ
)
から平八郎が
企
(
くはだて
)
の私欲を離れた処に感心したので、
強
(
し
)
ひて与党に入れられた
怨
(
うらみ
)
を忘れて、生死を共にする気になつたのである。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
けれど、
質樸
(
しつぼく
)
な
北
(
きた
)
の
方
(
ほう
)
の
国
(
くに
)
の
人々
(
ひとびと
)
は、そのことを
知
(
し
)
りませんでした。また、
遠
(
とお
)
い
南
(
みなみ
)
の
国
(
くに
)
へゆくにしても、
幾日
(
いくにち
)
も
幾日
(
いくにち
)
も
旅
(
たび
)
をしなければならない。
宝石商
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
徳川は、全く下り坂で、
旗本
(
はたもと
)
も腰が抜けてしまった、関東の武士も今は怖るるところはない、ただ新徴組の一手と——それに東北の
質樸
(
しつぼく
)
な
国侍
(
くにざむらい
)
に歯ごたえがある。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それを
質樸
(
しつぼく
)
な婆さんと見たのがこちらの誤りであったか……そんなことを思った。
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
▼ もっと見る
縄文式のものの持つ形式的に
繁縟
(
はんじょく
)
な、暗い、
陰鬱
(
いんうつ
)
な表現とはまるで違って、われわれの祖先が作った埴輪の人物はすべて明るく、簡素
質樸
(
しつぼく
)
であり、直接自然から汲み取った美への満足があり
美の日本的源泉
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
「だれに?」とメルキオルは
質樸
(
しつぼく
)
に尋ねた。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
質樸
(
しつぼく
)
なれば言葉すくなきに、
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
めには、「われ一個人にとりては」とことわる
癖
(
くせ
)
あり。
遽
(
にわか
)
にメエルハイムのかたへ向きて、「君がいひなづけの妻の待ちてやあるらむ、」といひぬ。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
婆あさんの
質樸
(
しつぼく
)
で、
身綺麗
(
みぎれい
)
にしているのが、純一にはひどく気に入った。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
“質樸”の意味
《名詞》
自然のままであること。また、そのようなさま。
飾り気がなく真面目であること。また、そのようなさま。
(出典:Wiktionary)
質
常用漢字
小5
部首:⾙
15画
樸
漢検1級
部首:⽊
16画
“質”で始まる語句
質
質問
質子
質素
質朴
質屋
質入
質物
質店
質実