西比利亜シベリア)” の例文
その電文の内容が全部実現することになりますれば、現政府は満洲と西比利亜シベリアの利権を米国に売って、総選挙の費用を稼ぐ事になります。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
初めいよいよ帰朝と決するや、西比利亜シベリア線を帰る、あるいは倫敦へ出て海路を取る乎というが友人間の問題となったそうだ。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
「勿論、西比利亜シベリア地方からです。ハバロフスク附近を午後八時に出発してやって来たとすると、方向も進路も、従って時刻も勘定が合います」
空襲下の日本 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのほかは数世紀掛って露西亜ロシアの新経営をしたところの西比利亜シベリア。これは無論むろん日本はことさらに地を侵略する目的はない。
東亜の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
これから九人の日本人がおなじ車に陣取ってひょうびょうたる西比利亜シベリアを疾走するのだから、そのア・ラ・ミカドなこと宛然さながら移動日本倶楽部の観がある。
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
「だけども、借金は立て換えた、そのままぷいと西比利亜シベリアへでも逃げて行かれたらそれっきりだぜ」
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
西比利亜シベリア出征の田中中佐の一隊は、過激派軍のために包囲せられて、クスラムスコエ附近で全滅したが、悲壮極まるその戦闘で、名誉の戦死を遂げた小島勇次郎と云う軍曹は
母親に憑る霊 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
その校正は独逸から西比利亜シベリア鉄道によって送られ、それを再び米国へ送るのであって、随分多くの時日をも要した、けれども両書の一方は世界大戦の始まる一、二年前に出版を終わり
数学史の研究に就きて (新字新仮名) / 三上義夫(著)
途次みちみちきびしい検閲で旅の手帳を取上げられるくらいのことは覚悟しても、英吉利イギリスから北海を越え、日頃見たいと思う北欧羅巴の方を廻って、西比利亜シベリアを通って帰って行く汽車旅を択ぼうか。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
くに識者の国防的観念に、一大刺激を与えたるもの、実に露国の北辺を侵擾したるに拠る。けだし露国の警を報じたるは、明和八年(千七百七十一年)露国西比利亜シベリア流竄りゅうざん者、波蘭ポーランド人アウスよりはじまる。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
西比利亜シベリア嵐が吹きつける恐ろしい冬は常に人々を脅かした。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
西比利亜シベリア
未刊童謡 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
……現に西比利亜シベリアの東部に隠然たる勢力を張っておりますセミヨノフ、ホルワット両将軍は、沿海州に於ける日本の利権を米国に引渡す黙契の下に
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そこでまず日本の勢力が亜細亜アジア大陸に於て、支那朝鮮もしくは西比利亜シベリアに於て十分に実現されたということは、日本国民が十分知覚しなければならぬ。
東亜の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
何のために西比利亜シベリアを通過するか、宗教は—— if any 何を信ずるか、たべ物はなにが好きか、朝は大体何時に起きるか、習慣としてお茶をのむか飲まないか
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
西比利亜シベリア経由の外国郵便が二通、封を切ったまま置いてあり、その傍に夫の手で
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
暫らく西比利亜シベリアに滞留していた旧同窓の佐波が浦塩から帰朝してしばしば二葉亭を訪問し、新たに薩哈連サハリンから浦塩へ渡航した一人の友人からも度々手紙が来て、浦塩方面の消息が頻りに耳に入るので
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
地勢をいえばこれらはいずれも支那本部よりは、むしろ露西亜ロシアに近い。即ち外蒙古の如き、河に汽船が通ずる。西比利亜シベリア鉄道にはオムスク辺から乗る事が出来る。
三たび東方の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
私の父親は日露戦争当時から、日本の軍事探偵となって、満洲西比利亜シベリア方面を跋渉ばっしょうしているうちに、松花江しょうかこうの沿岸で、素晴らしい金鉱を幾個所となく発見していた。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
私達は西比利亜シベリアをとおってスウェルドロフスクを知っている。私の紀行にはこうある。
踊る地平線:05 白夜幻想曲 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
伊皿子の杉崎先生の知っている露西亜ロシア人が教えるのよ。何でも西比利亜シベリアから逃げて来たんで、お金がなくって困ってるもんだから、それを助けてやりたいと云うんで倶楽部を拵えたんですって。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
その代りに露西亜ロシア西比利亜シベリアを閉ざすということははなはだ宜くない。貿易上相互的の利益を増進するを目的とし、極端な重税を課することを止めることが必要である。
東亜の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
物質の欠乏に悩む欧洲の地図の色が百色眼鏡ひゃくいろめがねのように変化し初め、露西亜ロシア独逸ドイツが赤くなり、又青くなり、伊太利イタリーに黒シャツ党が頭を上げ、西比利亜シベリアに白軍王国が出来かかり
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
何しろ、人も怖れる西比利亜シベリアの荒野を共産党の汽車で横断しようというのだから、その騒ぎたるやまさに福島少佐の騎馬旅行以上だ。ことに本邦人は、知るも知らぬもお低頭じぎしあって
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
西比利亜シベリアが取れたら沿海州へ行くと口癖に云うて御座ったから、コレ位、機会おりはない。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)