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行届
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ゆきとど
ふりがな文庫
“
行届
(
ゆきとど
)” の例文
旧字:
行屆
既に幾たびも君が学資に窮して、休学の
已
(
や
)
むを得ざらんとするごとに、常に
仏
(
フランス
)
文の手紙が
添
(
そっ
)
て、
行届
(
ゆきとど
)
いた
仕送
(
しおくり
)
があったではないか。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
薬ばかり飲ませても食物が病気に不適当であったら療治も
行届
(
ゆきとど
)
くまい。僕は
大
(
おおい
)
に食餌療法の実行を我邦の医者に勧告しようと思うね
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
娘の酌の手振りは見事ですが、口数は至って少く、多くはその多彩な表情と、
行届
(
ゆきとど
)
いた動作で返事をするといった有り様です。
奇談クラブ〔戦後版〕:10 暴君の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
伸太郎 成程お前は一家の女主人としては実によく
行届
(
ゆきとど
)
く。店の仕事から奉公人の指図、台所から掃除洗濯、近所
交際
(
づきあい
)
、何一つとして
手抜
(
てぬか
)
りはない。
女の一生
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
僕は、ふらふらする足を踏みしめて、清潔に掃除の
行届
(
ゆきとど
)
いている地下舗道を下りていった。すぐ改札口に出る。僕は、リーマン博士から渡された切符を見せる。
宇宙尖兵
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
彼が持っていた抱負、志向、希望、前途がただ一筆で棒引されてしまった。閑人のお
布
(
ふ
)
れが
行届
(
ゆきとど
)
いて、小D、王鬍などに話の種を呉れたのは、やっぱり今度の事であった。
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
そしてその足音は鐘の鳴った方面から始まったとまで、この話の観察は
行届
(
ゆきとど
)
いている。そして鐘の音が一つボーン……と鳴ると、その怪しの足音は一方へ動く。また一つ鳴るとまた動く。
白い光と上野の鐘
(新字新仮名)
/
沼田一雅
(著)
情愛の
行届
(
ゆきとど
)
いた、いかにも
手際
(
てぎわ
)
の良い演奏だ。トスカニーニの指揮したのも異色あるレコードだが(ワグナー名曲集)、多少この人らしい
素気
(
そっけ
)
なさがあるだろう。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
「ええ、
混雑
(
ごたごた
)
いたしまして、どうも、その実に
行届
(
ゆきとど
)
きません、
平
(
ひら
)
に御勘弁下さいまして。」
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あまりにもよく
行届
(
ゆきとど
)
いた文章、誰の
仕業
(
しわざ
)
ともわかりませんが、万田龍之助ゾッと肌寒さを覚えました。
大江戸黄金狂
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「や、もう
大破
(
たいは
)
でござって。おもりをいたす仏様に、こう申し上げては済まんでありますがな。ははは、
私力
(
わたくしちから
)
にもおいそれとは参りませんので、
行届
(
ゆきとど
)
かんがちでございますよ。」
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
行届
(
ゆきとど
)
いた愛情と、聡明な理解で、「マンドリン」や「月光」や「夢の後」や「悲しき歌」やら、この上もなく優しく美しく、ほんのりした皮肉と、フランスらしい粋な陰影で
奇談クラブ〔戦後版〕:13 食魔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
呼鈴
(
よびりん
)
まで
行届
(
ゆきとど
)
き、次の間の片隅には棚を飾って、略式ながら、薄茶の道具一通。
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「序曲」ではフルトヴェングラーのベルリン・フィルハーモニーを指揮したポリドールのレコード(四五二一三—四)は吹込みは
甚
(
はなは
)
だ古いが、雄大で
行届
(
ゆきとど
)
いて一番良く入っている。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
世にただ一人となって
小児
(
こども
)
と一所に山に
留
(
とど
)
まったのはご坊が見らるる通り、またあの
白痴
(
ばか
)
につきそって
行届
(
ゆきとど
)
いた世話も見らるる通り、洪水の時から十三年、いまになるまで一日もかわりはない。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「まア、いやに
行届
(
ゆきとど
)
くんだね」
大江戸黄金狂
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
行
常用漢字
小2
部首:⾏
6画
届
常用漢字
小6
部首:⼫
8画
“行”で始まる語句
行
行燈
行方
行李
行衛
行灯
行脚
行水
行者
行末