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葉隱
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はがく
向うて
筋違、
角から二
軒目に
小さな
柳の
樹が一
本、
其の
低い
枝のしなやかに
垂れた
葉隱れに、一
間口二
枚の
腰障子があつて、一
枚には
假名、一
枚には
眞名で
豆腐と
書いてある。
あの
嘴で
丹念に、
這奴我が
胸、
我が
腹の
毛を
殘りなく
毮り
取つて、
赤裸にした
處を、いきみをくれて、ぬぺらと
出して、
葉隱れに……へたばる
人間をぎろりと
睨んで、
噴飯す
由。