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落窪
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おちくぼ
ふりがな文庫
“
落窪
(
おちくぼ
)” の例文
「かつて大橋
訥庵
(
とつあん
)
がこう
謂
(
い
)
った、独怪謝安出山後、更無偉略済蒼生、と」梅田定明は頬骨の高い眼の
落窪
(
おちくぼ
)
んだ顔をつきだすようにしてそう云った
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そのころ私は毎晩母の
懐
(
ふところ
)
に
抱
(
いだ
)
かれて、竹取の
翁
(
おきな
)
が見つけた小さいお姫様や、
継母
(
ままはは
)
にいじめられる
可哀
(
かわい
)
そうな
落窪
(
おちくぼ
)
のお話を
他人事
(
ひとごと
)
とは思わずに身にしみて
山の手の子
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
「はて、
面妖
(
めんよう
)
な。
只事
(
ただごと
)
でない。」と家令を先に敷居越し、恐る恐る
襖
(
ふすま
)
を開きて、御容顔を見奉れば、徹夜の
御目
(
おんめ
)
落窪
(
おちくぼ
)
みて、
御衣服
(
おめしもの
)
は泥まぶれ、激しき
御怒
(
おいかり
)
の気色
顕
(
あらわ
)
れたり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
黒い薬を顔一面に
塗抹
(
とまつ
)
して、黒い仮面のやうな、さうして
落窪
(
おちくぼ
)
んだ眼ばかりが光つて、その病床の傍へ来てはならないと、物憂げに手を振つた怪物のやうな母の顔であつた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
髯
(
ひげ
)
の延びた長い
顎
(
あご
)
の、目の
落窪
(
おちくぼ
)
んだ川西の顔が、お島の目には
狂気
(
きちがい
)
じみて見えた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
蓬々
(
ほうほう
)
とした髪の毛の白くなったさまは灰か砂でも浴びたように
爺
(
じじ
)
むさく、以前ぱっちりしていただけ、
落窪
(
おちくぼ
)
んだ眼は薄気味のわるいほどぎょろりとして、何か物でも見詰めるように輝いている。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ふと母の頬が、——二日の間に青白く
萎
(
しな
)
びてしまった頬が、ほのかにではあるがうす赤く染まって行ったかと思うと、その
落窪
(
おちくぼ
)
んだ二つの眼から、大粒の涙がほろ/\と、止めどもなく
湧
(
わ
)
き
出
(
い
)
でた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
うちかがむ毛の
柔
(
にこ
)
ものの黒きかげ葱はかがよふ
月夜
(
つきよ
)
落窪
(
おちくぼ
)
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ほらあなめきし
落窪
(
おちくぼ
)
の
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
鳥打の
廂
(
ひさし
)
から、
落窪
(
おちくぼ
)
んだ目ばかりがぎろりと薄気味わるく光っていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
若い武士の唇にはしずかな微笑が
泛
(
うか
)
んだ。日は経っていった、彼の頬や
顎
(
あご
)
は濃い
髭
(
ひげ
)
で蔽われ、深い両眼は益々深く
落窪
(
おちくぼ
)
んだ。いまでは静坐にも馴れて、半日あまりは身動きもせずに坐っていられる。
松風の門
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
うちかがむ毛の
柔
(
にこ
)
ものの黒きかげ葱はかがよふ
月夜
(
つきよ
)
落窪
(
おちくぼ
)
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ほらあなめきし
落窪
(
おちくぼ
)
の
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
落
常用漢字
小3
部首:⾋
12画
窪
漢検準1級
部首:⽳
14画
“落窪”で始まる語句
落窪物語