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萎々
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なえ/\
と
胸に
氣を
入れたやうに
頷いて
云つたが、
汽車に
搖られて
來た
聊かの
疲勞も
交つて、
山の
美しさに
魅せられて
身の
萎々と
成つた、
歎息のやうにも
聞えた。
と
認めたが、
萎々として、
兩方が
左右から、
一人は
一方の
膝の
上へ、
一人は
一方の、おくれ
毛も
亂れた
肩へ、
袖で
面をひたと
蔽うたまゝ、
寄縋り
抱合ふやうに、
俯伏しに
成つて
惱ましげである。