自訴じそ)” の例文
心掛らるゝことなれば久八があやまつて縊殺しめころせしと云ひ無證據むしようこのことなるを自訴じそせしにて赤心せきしんあらはれたれば如何にもして助け遣はし度と心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其の証書をもって自訴じそすれば僕の処分は軽い、君と僕とりっこにすればそうだから、証書があれば否応いやおうなしに五六千円の金を出さなければなるめえ
「親分——私が惡うございました。伯父を殺したのは、此私でございます。お北さんが縛られるのを此眼で見乍ら、ツイ自訴じそし兼ねてしまひました。私は卑怯者に相違ございません」
銭形平次捕物控:180 罠 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
三膳出しましたといって、かえってこの男をあやしんだ、ここおいてこの男は主人の妻子が付纏つきまとって、こんな不思議を見せるのだと思い、とてのがれぬと観念した、自訴じそせんととっえす途上捕縛ほばくされて
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
又「無いよ、どうせ人を害せば斬罪ざんざいだ、僕が証書を持ってゝ自訴じそすれば一等は減じられるが、君はのがれられんさ、よろしいやねえ、まアいから心配したもうな」
とゞ相果あひはてたる赴き畢竟ひつきやう傍輩はうばいの心實より爲したる事實と相聞え加ふるに千太郎實父じつぷ吉兵衞外一同よりも助命を願ひ出又其方ことすみやかに自訴じそに及びし段神妙しんめうに付死一等を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
父親の彌助が自訴じそして出たと聞くと、お吉は今まで否定し續けた態度を一變して
父親の弥助が自訴じそして出たと聞くと、お吉は今まで否定し続けた態度を一変して
五兵衞吉兵衞の兩人へ引渡しに成たりける元より久八がくびころしたるおもむ自訴じそせしかば翌日甲州屋吉兵衞伊勢屋五兵衞久八の伯父をぢ六右衞門一同等御呼出よびだしにて調べとこそは成りにけれ。
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お菊が殺され、お吉が縛られ、彌助は自訴じそして出た、殘るのはお樂一人だけ。