肝癪かんしやく)” の例文
むらむらと湧いた肝癪かんしやくから私はまだ其儘そのまま其處に在つた蠅叩きを取るや否や、ぴしやりとその黒い蟲のかたまりに一撃を喰はした。
其夜そのよとこりしかども、さりとは肝癪かんしやくのやるなく、よしや如何いかなる用事ようじありとても、れなき留守るす無斷むだん外出ぐわいしつ殊更ことさら家内かないあけはなしにして
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今夜こんやまた木戸番きどばんか、なんたらこと面白おもしろくもないと肝癪かんしやくまぎれに店前みせさきこしをかけて駒下駄こまげたのうしろでとん/\と土間どまるは二十のうへを七つか十か引眉毛ひきまゆげつく生際はへぎは
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今夜も又木戸番か、何たら事だ面白くもないと肝癪かんしやくまぎれに店前みせさきへ腰をかけて駒下駄こまげたのうしろでとんとんと土間をるは二十の上を七つか十か引眉毛ひきまゆげに作り生際はへぎは
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なに頭痛づゝうなにもしませぬけれどしきり持病ぢびやうおこつたのですといふ、おまへ持病ぢびやう肝癪かんしやくか、いゝゑ、みちか、いゝゑ、それではなんだとかれて、うもこと出來できませぬ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何頭痛も何もしませぬけれどしきりに持病が起つたのですといふ、お前の持病は肝癪かんしやくか、いいゑ、血の道か、いいゑ、それでは何だと聞かれて、どうも言ふ事は出来ませぬ
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)