きゝ)” の例文
旧字:
人畜にんちくの道ことにして。その欲を得遂げざれども。耳に妙法のたときをきゝて。…………おなじ流に身をなげて。共に彼岸かのきしに到れかし。
これ新幡随院濡れ仏の縁起えんぎで、此の物語も少しは勧善懲悪かんぜんちょうあくの道を助くる事もやと、かく長々とおきゝにいれました。
引続ひきつゞきましておきゝに入れますが、世の中に腹を立ちます程誠に人の身の害になりますものはございません。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
まア和尚さんきゝになって下せえまし、お嬢様は粂どんに逢いてえ一心から、莫大ばくでえ金子かねもって家出をしたから、大方泥坊にけられて途中でるの遣らねえのといったもんだから
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
なかばからおきゝに入れまする事でございますが、細かいとこを申上げると、前々よりお読み遊ばしたお方は御退屈になりますから、すぐに続きを申上げます、足利の江川村で茂之助が女房に別れるとき
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
今日こんにちより改まりまして雑誌が出版になりますので、社中かわる/″\持前もちまえのお話をおきゝに入れますが、わたくしだけは相変らず人情の余りお長く続きません、三冊あるいは五冊ぐらいでお解りになりまする
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)