老婦人らうふじん)” の例文
頸筋くびすぢぶたこゑまでがそれらしい老人らうじん辨當べんたうをむしやつき、すこ上方辯かみがたべんぜた五十幾歳位いくさいぐらゐ老婦人らうふじんはすしを頬張ほゝばりはじめた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
『まア貴下あなたあれがえないの。アゝ最早もうえなくなつた。』と老婦人らうふじん殘念ざんねんさうに舌打したうちをした。義母おつかさん一寸ちよつ其方そのはうたばかり此時このとき自分じぶんおもつた義母おつかさんよりか老婦人らうふじんはう幸福しあはせだと。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
大磯おほいそちかくなつてやつ諸君しよくん晝飯ちうはんをはり、自分じぶんは二空箱あきばこひとつには笹葉さゝつぱのこり一には煮肴にざかなしるあとだけがのこつてやつをかたづけて腰掛こしかけした押込おしこみ、老婦人らうふじんは三空箱あきばこ丁寧ていねいかさねて
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)