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くみあひ
毎度亂心之者有り家業ならざる中は養生
牢とて入牢仰付らるゝ故則ち願書取上となり
翌日本郷三丁目徳兵衞
組合名主付添へ白洲へ罷り出控居るを
「
旦那、お
待遠樣づらえ。」
何處だと
思ふ、
伊達の
建場だ。
組合の
面にかゝはる、と
言つた
意氣が
顯れる。
奪んとなすにぞ又七は長助に
聲を掛け
盜人々々と
呼はりければ長助は
先刻より
外一人の男と
組合居たるが此聲を聞て金を
取れては
大變と
振放し又七の
懷中へ手を
入たる男の
横面を
病後夫が
召捕られしよりハツと逆上なし
狂ひ
廻りしかば長家中
皆々番もすれとも
動もすれば
駈出てあらぬことども
罵り廻るにぞ是非なく家主
徳兵衞并に
組合より願ひ出けるに
先達て御召捕に
相成候庄兵衞の妻
豐亂心仕つり町内にて種々と
介抱且養生仕つり候へども
晝夜安心相成ず
難儀至極に付何卒御奉行樣にて入牢仰付られ候へば
町内一同有難仕合
也と申ける是れは