細大さいだい)” の例文
物心ものごころついた小娘時代こむすめじだいから三十四さい歿みまかるまでの、わたくし生涯しょうがいおこった事柄ことがら細大さいだいれなく、ここで復習おさらいをさせられたのでした。
さてこの『霊訓』であるが、これにつきては、モーゼス自身が、その序文の中で細大さいだいを物語っているから、参考の為めに、その要所を抄出しょうしゅつすることにする。——
おぼれかかったその刹那せつなに、自分の過去の一生を、細大さいだい漏らさずありありと、眼の前に見た事があると云う話をそののち聞いたが、自分のこの時の経験にって考えると
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
消印けしいんはどれもこれも違った局のであった)復讐の呪咀じゅその言葉のあとに、静子のある夜の行為が、細大さいだいらさず、正確な時間を附加えて記入してあることに変りはなかった。
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ああして戸部近江之介をらなければならないことに立ち到った経過、いま全心身を挙げて一復讐魔ふくしゅうまと化し、残余ざんよの十七の生首なまくびねらっている自分の決心——それらを、細大さいだいらさず物語って
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
〔譯〕靈光れいくわうたいつる時、細大さいだいの事物、遺落ゐらく無く、遲疑ちぎ無し。
左膳は今どっちかというと、苦境におちいっているかたち……これらの件を細大さいだい洩らさず、順序もなしに与吉は、じぶんのことばでベラベラと弁じあげたのち、エヘン! とちょっとあらたまって
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)