トップ
>
紅緒
>
べにお
ふりがな文庫
“
紅緒
(
べにお
)” の例文
彼女の乗り馴れた銀毛の駒も、この小仏越えには
馭
(
ぎょ
)
しきれまいと思ったので、それは麓にあずけて来て、今朝は
菅笠
(
すげがさ
)
に
紅緒
(
べにお
)
の草履。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
屋敷横、法恩寺の川はいっぱいの増水で水泡をうかべた濁流が岸のよもぎを洗って、とうとうと流れ
紅緒
(
べにお
)
の下駄が片っぽ、浮きつ沈みつしてゆくのが見える。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そうして、朱の扉の端に片よせて、
紅緒
(
べにお
)
をわがね、なし得る布施を包んだ
手帖
(
ノオト
)
の引きほぐしに
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それも
併
(
しか
)
し、ほんの暫らくの事でした、も一度欄干の上に、今度は二枚の袖を重ねて、つくづく夜の水に見入って居りましたが、いきなり、履いて居る
紅緒
(
べにお
)
の
草履
(
ぞうり
)
を脱ぐと
悪人の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
待ち
設
(
もう
)
けたよりももっと早く——園は少し恥らいながら三和土の片隅に脱ぎ捨ててある
紅緒
(
べにお
)
の
草履
(
ぞうり
)
から素早く眼を転ぜねばならなかった——しめやかながらいそいそ近づく足どりが入口の障子を
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
蜀江
(
しょっこう
)
模様の帯を高くしめ、振りのたもとを永く曳いて、
紅緒
(
べにお
)
の
草履
(
ぞうり
)
もその
裳
(
もすそ
)
にかくれていようという——まことに山越えの旅にはふさわぬ身支度で、顔さえも
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鳥追笠を
紅緒
(
べにお
)
で締めて荒い黄八に
緋鹿子
(
ひがのこ
)
の猫じゃらしという思い切った
扮装
(
いでたち
)
も、狂気なりゃこそそれで通って、往きずりの人もちと調子の外れた
門付
(
かどづけ
)
だわいと振り返るまでのこと
釘抜藤吉捕物覚書:05 お茶漬音頭
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ある日は、次郎をつれ、
紅緒
(
べにお
)
の草履に
紐
(
ひも
)
をつけて、
湯前
(
ゆまえ
)
の神から
日金
(
ひがね
)
の山へのぼッてゆく。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
紅緒
(
べにお
)
の
菅笠
(
すげがさ
)
を
下郎
(
げろう
)
に渡すと、うけたお供の
仲間
(
ちゅうげん
)
は、それを自分の笠に重ねて
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
派手
(
はで
)
模様の
袂
(
たもと
)
や藤いろの
褄
(
つま
)
、
緋
(
ひ
)
のけだしやら花色の
股引
(
ぱっち
)
やら、
塗
(
ぬ
)
りの下駄だの
紅緒
(
べにお
)
の
草履
(
ぞうり
)
だのが風にそそられて日傘の下にヒラヒラと
交錯
(
こうさく
)
し、列に
挟
(
はさ
)
まれた
駕
(
かご
)
一
挺
(
ちょう
)
、一人の美女がのっている。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お米もひとつ
蓆
(
むしろ
)
に並んで、
紅緒
(
べにお
)
のついた両足を前へ投げだした。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
紅
常用漢字
小6
部首:⽷
9画
緒
常用漢字
中学
部首:⽷
14画
“紅”で始まる語句
紅
紅葉
紅蓮
紅絹
紅玉
紅色
紅白粉
紅梅
紅殻
紅味