簀巻すまき)” の例文
簀巻すまきにして川へほうり込むか、生埋いきうめにして憂目うきめを見せて遣ります、姉さん今にお医者様が来ますから、確かりしてお呉んなさい
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「船ドサンタチガコワイデス、ワタシ袋叩キニサレマス、間違エバ簀巻すまきニシテ海ノ中ヘ投ゲ込マレテシマウデス」
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
早や腰から手から首の所まで、宛も簀巻すまきの様に森主水を縛って了い、最後に猿轡をまで食ませ終った
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「つめさいは博奕の法度、場銭をさらったうえに簀巻すまきにして川へ叩きこまれても文句の云えねえのが仲間の定法だ、——正さんの顔なら凄味すごみがあってきっとおどしが利くぜ」
お美津簪 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
げんの三兄弟は、ゆうべの小舟の舟底から、簀巻すまきの何濤を引っぱり出して、岸の上にひきすえていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おれにゃ、うそ坊主ぼうずあたまァいえねえよ。——かりにもおんなじ芝居しばいものが、こんなことを、ありもしねえのにいってねえ。それこそ簀巻すまきにして、隅田川すみだがわのまんなかへおッまれらァな
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
こも簀巻すまきにされてふるえているあいだに、竜神とその使女はどこからどこまで家捜しして、あくる朝、家族と店の連中が帰ってきた時には、現金はもちろん金目の物は何一つ残っていなかったという
簀巻すまきにして、舟底へほうりこんでおこうじゃねえか。息の根をとめるなら、いつでもだ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今に逆磔刑さかばりつけにしようと簀巻すまきにして絹川へほうこもうと己が口一つだからう思ってろえ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「まだあんなことを言ってやがる、叩きのめして簀巻すまきにしてやれ」
真桑瓜は腹のいた時のしのぎになる腹にたまる物だが、うっかり取る処を人に見られゝば、野暴のあらしの刑で生埋いきうめにするか川に簀巻すまきにしてほうり込まれるか知れんから、一個ひとつぎって食う事も出来ぬが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
賭場荒とばあらしを取って押えて簀巻すまきにしようとするものらしい。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
簀巻すまきにしろッ」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)