端艇たんてい)” の例文
してると、端艇たんていは、何時いつにか印度洋インドやう名高なだか大潮流だいてうりう引込ひきこまれたのであらう。わたくしなんとなくのぞみのあるやうかんじてたよ。
おどろいてつむりげると、いましも一個いつこ端艇たんてい前方ぜんぽう十四五ヤードの距離へだゝりうかんでる、これ先刻せんこく多人數たにんずうつたために、轉覆てんぷくしたうち一艘いつさうであらう。
弦月丸げんげつまる運命うんめい最早もはやぷん、二ふん甲板かんぱんにはのこ一艘いつそう端艇たんていい、くなりては今更いまさらなにをかおもはん、せめては殊勝けなげなる最後さいごこそ吾等われらのぞみである。