)” の例文
そもそも維新の初には百事みな創業にかかり、これは官に支配すべき事、それはに属すべきものと、明らかに分界を論ずる者さえなくして、新規の事業は一切政府に帰し
学問の独立 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
に於ても誠実が物を言う。僕は同僚との折合おりあいが好い。喧嘩をしてかえって別懇べっこんになったのもある。一杯飲んで胸襟きょうきんを開くと皆ういやつだ。渡る世間に鬼はないという諺はえらい。
ロマンスと縁談 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
その改築費及び将来の維持費の如き、一の資力を以てせんこと容易に非ず、すなわち前に掲げたるが如く今回富士観象会なるものを組織して弘く天下に向て賛助を乞うに至れり
昔はこうでもでも何でも皆孝で押し通したものであるが今は一面に孝があれば他面に不孝があるものとしてやって行く。即ち昔は一元的、今は二元的である、すべて孝で貫き忠で貫く事はできぬ。
教育と文芸 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その士気の凜然りんぜんとして、に屈せずこうげず、私徳私権、公徳公権、内におさまりて外に発し、内国の秩序、斉然巍然せいぜんぎぜんとして、その余光を四方にかがやかすも決して偶然にあらず。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
古人の言に、忠臣は孝子の門にずといいしも、決して偶然にあらず。忠は公徳にして孝は私徳なり、その、修まるときは、このこう、美ならざらんと欲するもべからざるなり。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
いずれか邪なる、もとより明断めいだんし難しといえども、開闢かいびゃく以来の実験にり、また今日の文明説に従うときは、一家ののため一国のこうのために、多妻多男法は一夫一婦法のきにかず。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
この書生輩の行末ゆくすえを察するに、専門には不得手ふえてにしていわゆる事務なるものに長じ、に適せずして官に適し、官に容れざればに煩悶し、結局は官私不和のなかだちとなる者、その大半におるべし。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)