破産はさん)” の例文
めっそうな、わたしたら、いまごろは破産はさんせんけりゃならん。しろい、気味きみわるつきをしたおとこ見物人けんぶつにんなかじって、じっとしていたということでな。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
財政的にも人格的にも破産はさんしてしまつた旗本には、自分の屋敷を博奕宿ばくちやどに貸したり、妙な女を多勢引入れて、公然密會場所に提供したり、いかさまな藝當を見せたりして
けよ! このむねよ! 破産はさんした不幸みじめこゝろよ、一思ひとおもひにけてしまうてくれい! 此上このうへらうはひれ、もう自由じいうるな! けがらはしい塵芥ちりあくため、もと土塊つちくれかへりをれ、きてはたらくにはおよばぬわい
其状態そのじやうたいながつゞけば破産はさんをするよりほかないのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)