看經かんきん)” の例文
新字:看経
又も飛付とびつく女の一ねんとまらぬ遣らじとあらそひける中茶屋の撞乎どつかり踏拔ふみぬきのゝしり合ていどみける此物おと本坊ほんばうへ聞えしにや何事ならんとあさ看經かんきん僧侶達そうりよたち下男諸共十六七人手に/\ぼう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
朝夕に本堂から、吾々の世話をして呉れる年老いた寺僕の、看經かんきんの聲が聞えて來た。
受験生の手記 (旧字旧仮名) / 久米正雄(著)
庵室の中は貧しい灯が入つて、鐵心道人は看經かんきんを了つたところでした。
いかに息災そくさいでもすでに五十九、あけて六十にならうといふのが、うちでこそはくる/\𢌞まはれ、近頃ちかごろ遠路とほみちえうもなく、父親ちゝおやほんる、炬燵こたつはし拜借はいしやくし、母親はゝおや看經かんきんするうしろから、如來樣によらいさまをが身分みぶん
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
軈て看經かんきん終りて後、維盛卿は瀧口に向ひ
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)