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もくそう
ふりがな文庫
“
目送
(
もくそう
)” の例文
路端
(
みちばた
)
の人はそれを何か不可思議のものでもあるかのように
目送
(
もくそう
)
した。松本は
白張
(
しらはり
)
の
提灯
(
ちょうちん
)
や
白木
(
しらき
)
の
輿
(
こし
)
が嫌だと云って、宵子の棺を喪車に入れたのである。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
村居六年の間、彼は色々の場合に此杉の
下
(
した
)
に立って色々の人を送った。
彼
(
かの
)
田圃を
渡
(
わた
)
り、彼雑木山の一本檜から横に折れて影の消ゆるまで
目送
(
もくそう
)
した人も少くはなかった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
驚き見れば
長高
(
たけたか
)
き老紳士の目尻も
異
(
あやし
)
く、満枝の
色香
(
いろか
)
に惑ひて、これは失敬、意外の
麁相
(
そそう
)
をせるなりけり。彼は
猶懲
(
なほこ
)
りずまにこの
目覚
(
めざまし
)
き
美形
(
びけい
)
の同伴をさへ
暫
(
しばら
)
く
目送
(
もくそう
)
せり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
僕は振り返って老紳士を
目送
(
もくそう
)
しながら、教員には決してなるまいと決心した。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
すわや海上の危機は
逼
(
せま
)
ると
覚
(
おぼ
)
しく、あなたこなたに散在したりし数十の漁船は、
北
(
にぐ
)
るがごとく
漕戻
(
こぎもど
)
しつ。
観音丸
(
かんのんまる
)
にちかづくものは
櫓綱
(
ろづな
)
を
弛
(
ゆる
)
めて、この
異腹
(
いふく
)
の兄弟の前途を
危
(
きづか
)
わしげに
目送
(
もくそう
)
せり。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
立って行く叔母の
後姿
(
うしろすがた
)
を彼女がぼんやり
目送
(
もくそう
)
していると、一人残った継子が突然誘った。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
舁
(
か
)
かれて
室
(
へや
)
を出るときは
平
(
たいら
)
であったが、
階子段
(
はしごだん
)
を降りる
際
(
きわ
)
には、台が傾いて、急に
輿
(
こし
)
から落ちそうになった。玄関に来ると同宿の
浴客
(
よくかく
)
が大勢並んで、左右から白い輿を
目送
(
もくそう
)
していた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
瓦斯煖炉
(
ガスだんろ
)
の色のだんだん濃くなって来るのを、
最前
(
さいぜん
)
から注意して見ていた津田は、黙って書生の後姿を
目送
(
もくそう
)
した。もう好い加減に話を切り上げて帰らなければならないという気がした。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“目送”の意味
《名詞》
敬意を示しながら去る者を目で見送ること。
(出典:Wiktionary)
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
送
常用漢字
小3
部首:⾡
9画
“目”で始まる語句
目
目的
目出度
目前
目標
目貫
目覚
目論見
目下
目論