)” の例文
そこにはびんの破片を植ゑた煉瓦塀れんぐわべいの外に何もなかつた。しかしそれは薄いこけをまだらにぼんやりとらませてゐた。
或阿呆の一生 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あわあわしいら雲がら一面に棚引たなびくかと思うと、フトまたあちこちまたたく間雲切れがして
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
そしていよいよチーンと冴えらけている娘と宋江の仲を笑って、さらにペチャクチャりなし言に努めたり、また寝室の帳台を開けて、そこの香炉こうろに、春情こうべたりした。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて若蘆の芽のくきくきと出揃でそろう頃は、夕月の影をくだいて満ち潮のなごりがらと頭越しに流れよるようになる。大空は梅が香の艶なにおいに朦朧もうろうとして、月も曇りに近いかすみ方である。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
イロいウモがアかく
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
月が家並やなみの後ろの高いかしの梢まで昇ると、向う片側の家根がろんできた。
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
イろいイろい真白い
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
イろい眼玉は可愛いよ
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)