画像ぐわざう)” の例文
旧字:畫像
内陣には御主おんあるじ耶蘇ヤソ基督キリスト画像ぐわざうの前に、蝋燭らふそくの火がくすぶりながらともつてゐる。うるがんはその前に悪魔をひき据ゑて、何故なぜそれが姫君の輿の上に乗つてゐたか、厳しく仔細しさいを問ひただした。
悪魔 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
人々ひと/″\も、くては筋骨きんこつたくましく、膝節ひざぶしふしもふしくれちたる、がんまのむすめ想像さうざうせずや。らず、かたあるひ画像ぐわざうなどにて、南谿なんけいのあたりうつける木像もくざうとはたがへるならむか。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しかしその命日毎めいにちごとに酒をそなへる画像ぐわざうを見れば、黒羽二重くろはぶたへ紋服もんぷくを着た、何処どこ一徹いつてつらしい老人である。祖父は俳諧を好んでゐたらしい。現に古い手控てびかへの中にはこんな句も幾つか書きとめてある。
わが散文詩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)