ゆう)” の例文
子曰く、ゆうや、なんじに之を知るをおしえんか。之を知るを之を知ると為し、知らざるを知らずと為す。是れ知るなりと。——為政篇——
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「片言もってごくさだむべきものは、それゆうか」などという孔子の推奨すいしょうの辞までが、大袈裟おおげさ尾鰭おひれをつけてあまねく知れわたっていたのである。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
子曰く、ゆうしつ(雅頌に合せず)、奚為なんすれきゅうが門に於てせん。門人子路を敬わず。子曰く、由は堂にのぼれるも、未だ室に入らざるなり。(一五)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
(一) 孟武伯もうぶはく問う、子路仁なるか。子曰く、知らず。又問う。子曰く、ゆうは千乗の国其の賦を治めしむべし、其の仁を知らざるなり。求は何如。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
ゆうよ。われ汝に告げん。君子がくを好むはおごるなきがためなり。小人楽を好むはおそるるなきがためなり。それだれの子ぞや。我を知らずして我に従う者は。」
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
孔子は、門人を呼ぶに、名を呼んで決してあざなを呼ばない。(例えば子貢をと呼び、子路をゆうと呼ぶが如く)
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
いかだに乗りて海に浮ばん。我に従う者は其れゆうなるかと。子路之を聞きて喜ぶ。子曰く、由や勇を好むこと我に過ぎたり。取りはかる所なしと。——公冶長篇——
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
魯に在って遥かに衛の政変を聞いた孔子は即座に、「さい(子羔)や、それ帰らん。ゆうや死なん。」と言った。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
どうして孔子が「ゆうよ、汝に知ることをおしえんか」と呼びかけて、不知の知の深義を語り、あるいは道の行なわれぬいきどおりを打ちあけて「我に従わん者はそれ由か」などということができよう。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
ゆうは千乗の国の軍事を司るだけの能力はありましょう。しかし仁者といえるかどうかは疑問です。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「私の説く治国の道も、到底行われそうにないし、そろそろいかだにでも乗って海外に出ようと思うが、いよいよそうなった場合、私について来てくれるのは、ゆうかな。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「ところで、ゆうは、勇気を愛する点では私以上だが、分別が足りないので、いささか心細いね。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)