おおむ)” の例文
しかれどもその眼彩爛々らんらんとして不屈の色あり。余、もとよりこれを異とし、ことごとく志す所を以てこれに告ぐ。生大いに喜び、これより事を謀るや、勇鋭力前、おおむね常に予を起す。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
いしみな奇状両岸に羅列す、あるい峙立じりつして柱のごとく、或は折裂せつれつして門のごとく、或は渇驥かっきの間に飲むが如く、或は臥牛がぎゅうの道に横たわる如く、五色ごしき陸離りくりとして相間あいまじわり、しゅんおおむね大小の斧劈ふへき
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
巍の言にいわく、我が高皇帝、三代のこうのっとり、嬴秦えいしんろうを洗い、諸王を分封ぶんぽうして、四裔しえい藩屏はんぺいたらしめたまえり。しかれどもこれを古制に比すれば封境過大にして、諸王又おおむ驕逸きょういつ不法なり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それはおおむね金払いのわるいような家ばかりであった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)