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獨酌
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どくしやく
飮居たりしが其中に年の頃六十餘と見ゆる
老人獨酌にて一二合飮て其後代錢は拂ひたれども酒の
醉廻りしにや
頻りに
睡眠居たるが
不※目を
傳へ
言ふ……
孫右衞門と
名づけた
氣の
可い
小父さんが、
獨酌の
醉醒に、
我がねたを
首あげて
見る
寒さかな、と
來山張の
屏風越しに、
魂消た
首を
出して
覘いたと
聞く。
まだ
思ひ
出す
事がある。
先生がこゝで
獨酌……はつけたりで、
五勺でうたゝねをする
方だから
御飯をあがつて
居ると、
隣座敷で
盛んに
艷談のメートルを
揚げる
聲がする。