獣医じゅうい)” の例文
獣医じゅういにはていねいに世話になった礼を言って、手をにぎってさようならを言った。そして宿屋やどやに帰ると、雌牛めうしをうまやにつないだ。
糟谷かすやはいよいよ平凡へいぼんな一獣医じゅうい估券こけんさだまってみると、どうしてもむねがおさまりかねたは細君であった。どうしてもこんなはずではなかった。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「さあくしてみますが、そのへんのことはわかりかねます。」と、不安ふあんかおつきをして獣医じゅういこたえました。
おじいさんの家 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ぼくたちは雌牛めうしを買ったあかしをてればいいのだ。ユッセルの獣医じゅういの所へ使いをやればいい……あの人が証人しょうにんになってくれる」
新しい学問をした獣医じゅういはまだすくない時代であるから、糟谷は獣医じゅういとしても当時とうじ秀才しゅうさいであった。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
獣医じゅういのもとへいってみますと、ほかにもたくさんの、病気びようきいぬねこ入院にゅういんしていました。ほかの病気びょうきいぬは、おりなかから、くびをかしげて、あらたにきた患者かんじゃをながめていました。
おじいさんの家 (新字新仮名) / 小川未明(著)
獣医じゅういはしかしその両方の前を知らん顔で通りぎて、わたしたちのやりかけた争論そうろうを中止させた。そして第三の雌牛めうしに向かった。
里塚りづか界隈かいわいでの富豪ふごうの長女が、なんだってただの一獣医じゅういつまとなったか、たとい種畜場しゅちくじょうはやめても東京へでたらば高等官こうとうかんのはしくれぐらいにはなっておれることと思っておった。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
ねえさんは、ボンのくるしむのをてかわいそうにおもって、さっそく獣医じゅういのもとへボンをくるませてれていこうといいました。おかあさんもそれがいいというので、正雄まさおくるまむかえにゆきました。
おじいさんの家 (新字新仮名) / 小川未明(著)
われわれにとってどれほどだいじな友だちであり、仲間なかまでありますか。どうしてこれほどのふしぎな才能さいのうを持った動物をただの獣医じゅういやなどにまかされるものではない。