すがた)” の例文
水をわたすがたたるゆゑにや、又深田ふかたゆくすがたあり。初春しよしゆんにいたれば雪こと/″\こほりて雪途ゆきみちは石をしきたるごとくなれば往来わうらい冬よりはやすし。
雪を払ふは落花をはらふについして風雅の一ツとし、和漢の吟咏あまた見えたれども、かゝる大雪をはらふは風雅のすがたにあらず。
(新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
雨支度をしているのですがたかたちはわからないが、まだ若そうなたくましい躯つきで、ひじょうに急いでいるようすが眼についた。
金五十両 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そこで竹筒たけづつの水をつぎこんだので、虫はやっと出て来たが、そのすがたがひどくすばしこくて強そうであった。成はやっとそれを捉えて精しく見た。
促織 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
雪をはらふは落花らくくわをはらふにつゐして風雅ふうがの一ツとし、和漢わかん吟咏ぎんえいあまた見えたれども、かゝる大雪をはらふは風雅ふうがすがたにあらず。