トップ
>
片陰
>
かたかげ
ふりがな文庫
“
片陰
(
かたかげ
)” の例文
溝端
(
みぞばた
)
の
片陰
(
かたかげ
)
に、
封袋
(
ふうたい
)
を切って
晃乎
(
きらり
)
とする、薬の
錫
(
すず
)
を
捻
(
ひね
)
くって、伏目に辰吉の
彳
(
たたず
)
んだ
容子
(
ようす
)
は、
片頬
(
かたほ
)
に
微笑
(
ほほえみ
)
さえ見える。
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
帯
(
おび
)
ははやりの
呉絽
(
ごろ
)
であろう。
引
(
ひ
)
ッかけに、きりりと
結
(
むす
)
んだ
立姿
(
たちすがた
)
、
滝縞
(
たきじま
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
が、いっそ
背丈
(
せたけ
)
をすっきり
見
(
み
)
せて、
颯
(
さっ
)
と
簾
(
すだれ
)
の
片陰
(
かたかげ
)
から
縁先
(
えんさき
)
へ
浮
(
う
)
き
出
(
で
)
た十八
娘
(
むすめ
)
。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
母は
焦
(
じ
)
れて無理にも起きようとしますが、日盛りに出て行って、また途中で倒れでもしては大変ですから、いろいろになだめて
片陰
(
かたかげ
)
の出来るまで寝かして置きまして
蜘蛛の夢
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
しかもそのくせ、
卑怯
(
ひきょう
)
にも
片陰
(
かたかげ
)
を拾い拾い小さな
社
(
やしろ
)
の
境内
(
けいだい
)
だの、
心当
(
こころあたり
)
の、
邸
(
やしき
)
の垣根を
覗
(
のぞ
)
いたが、前年の生垣も煉瓦にかわったのが多い。——
清水谷
(
しみずだに
)
の奥まで掃除が届く。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
片
常用漢字
小6
部首:⽚
4画
陰
常用漢字
中学
部首:⾩
11画
“片”で始まる語句
片
片隅
片手
片端
片頬
片方
片時
片側
片膝
片足