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片肌脱
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かたはだぬぎ
おつたは
幾年か
以前の
仕立と
見える
滅多にない
大形の
鳴海絞りの
浴衣を
片肌脱にして
左の
袖口がだらりと
膝の
下まで
垂れて
居る。
裾は
片隅を
端折つて
外から
帶へ
挾んだ。
毎朝役所へ出勤する前、崖の
中腹に的を置いて古井戸の柳を脊にして、凉しい夏の
朝風に
弓弦を
鳴すを例としたが
間もなく秋が来て、
朝寒の
或日、
片肌脱の父は弓を手にした
儘
見せにやらんと
宿駕籠を頼みて其用意に及びし所へ後藤半四郎は
向う
鉢卷片肌脱になり駕籠一
挺へ夫婦二人を乘せ一人にて
引擔ぎ寶珠花屋の
門へ
駈着是々亭主今歸りたりと
表の
戸を