熟睡じゆくすい)” の例文
著者ちよしやごときはそれが常習じようしゆうとなつてゐるので、夜間やかん熟睡じゆくすいしてゐるときでも地震ぢしんにより容易ようい覺醒かくせいし、ゆめうつゝの境涯きようがいにありながらみぎ時間じかん暗算あんざんとうにとりかかるくせがある。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
而れどもして熟考すれば之れ最終さいしう露宿ろしゆくにして、前日来の露宿中はあめほとんどなく、熟睡じゆくすい以て白日のらうせし為め、探検たんけん目的もくてきぐるを得せしめしは、じつに天恩無量と云つべし
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
老狐らうこ婦女ふぢよばかしていんするもあり、いんせられし女はかならずかみをみだし其処にして熟睡じゆくすいせるがごとし、そのよしをたづぬれども一人も仔細しさいをかたりし女なし、みな前後ぜんごをしらずといふ
それで過度の興奮を忌んで、一夜の安静を切に冀つた。成るべく熟睡じゆくすいしたいと心掛けてまぶたを合せたが、生憎眼が冴えて昨夕ゆふべよりは却つて苦しかつた。其うち夏の夜がぽうとしらわたつてた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)